解説:
院内感染とは、病院や医院、診療所などの医療機関内で新たに細菌やウイルスなどの病原体に感染することである。
医療機関外での感染の市中感染と対をなす用語であり、接触、経口、飛沫、空気などの感染や手術による感染がある。
医療機関は薬剤耐性病原体が多い環境であり、重症の消耗性疾患や外科手術後および臓器移植手術後の免疫抑制剤の投与などで免疫力(感染防御能)が低下している患者に感染が起こりやすい。
1:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、ペニシリンの後で開発されたメチシリンに耐性を示す黄色ブドウ球菌であり、院内感染の原因菌になるので関連が深い。皮膚や粘膜の傷から感染する。
2:A群溶血連鎖球菌は猩紅熱の原因菌で、飛沫感染によって感染する。
3:肺炎球菌は肺炎の原因菌で、飛沫感染によって感染する。
4:破傷風菌は破傷風の原因菌で、傷口から侵入して感染し、外毒素が神経行性に運ばれて中枢神経を侵す。