解説:
トロポニンとは、骨格筋と心筋などの横紋筋におけるカルシウムイオンによる収縮の制御に関与しているタンパク質複合体であり、トロボニンTおよびCとIがある。
急性心筋梗塞では、この「3:心筋トロポニンT」の上昇が起こるので、検査の有用性が高い。
心筋梗塞は、冠動脈の閉塞によって心筋が壊死を起こした病変であり、前胸部胸骨裏の絞扼痛を訴える。原因はアテローム硬化の関与が多い。
トロポニンTの上昇のほかに、CRP反応陽性、白血球やミオグロビンの増多、赤沈促進、CK、GOT、LDHなどの酵素値の上昇が起こる。
- 「1:赤血球」の増加は起こるが、赤血球数の変動はみられない。赤血球の増加は、多血症、ストレス、脱水などでみられる。
- 「2:コリンエステラーゼ」は、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症などで増加がみられる。
- 「4:ALP(アルカリフォスファターゼ)」は、骨疾患、肝胆道疾患、副甲状腺機能亢進症、妊娠時などでみられる。