解説:
1:糖尿病は、膵臓のランゲルハンス島でつくられて放出されるインスリンの不足によって過血糖状態になり、血糖値上昇が起こるものである。口渇、多飲、多尿、全身倦怠感、体重減少、インポテンツ、ニューロパチー(神経痛、しびれなど)、白内障ながみられるようになる。さらに最小血管症として腎症、網膜症なども生ずる。糖尿病性腎症は、慢性腎不全へ進行することが最も多い。慢性腎不全の原因疾患は糖尿病のほか、慢性糸球体腎炎、腎硬化症、多発性嚢胞腎、慢性腎盂腎炎などが多い。
2:腎硬化症は、腎動脈系の硬化性病変によって起こる疾患であり、悪性では腎機能が障害されて腎不全に陥り、血中尿素窒素、クレアチニンの上昇、高血圧、蛋白尿、尿潜血反応陽性などが生じ、頭痛、脱力感、無力感、悪心、嘔吐、食欲低下、腹痛などが出現する。
3:嚢胞腎は、常染色体優性多発性嚢胞腎ともいわれ、腎臓全体に多数の嚢胞が発生して次第に大きくなるものであり、腎臓のほかにも肝臓、膵臓などにも発生する。
4:痛風は、男性に多く、プリン体の代謝異常により尿酸が体内に異常に蓄積し、主として足の母指の中足指節関節に好発する急性関節炎が起こって、局所の発赤、腫脹、発作性の激痛を生ずるものである。腎機能低下をきたすことがある(痛風腎)。