次の文で示す症例に対する罹患筋への局所治療穴として適切なのはどれか（３０回）

解説：

下腿のコンパートメントは4つの区画に分類される。

• 前方コンパーメントには、前脛骨筋・長趾伸筋・長母趾伸筋が属する。
• 外側コンパーメントには、長・短腓骨筋が属する。
• 浅後方コンパーメントには、腓腹筋、ヒラメ筋、足底筋が属する。
• 深後方コンパーメントには、後脛骨筋、長母趾屈筋、長趾屈筋が属する。

打撲や骨折などにより腫れが生じコンパートメント内の圧力が非常に高くなると、神経や血管を圧迫し、症状として疼痛・腫脹・圧痛・硬結・運動時痛・区間内を通る神経麻痺による知覚鈍麻、所属筋の筋力低下などが生じる。筋内細動脈の血行障害となり、筋腱神経組織の壊死にもつながる。

「1：小腸の下合穴」は下巨虚で前脛骨筋上にあり、前方コンパートメントに一致するのでこれが正解である。

その他の選択肢は以下の通り。

• 「2：膀胱の下合穴」は委中で深部に脛骨神経が通り、脛骨神経は深後方コンパートメントに属し、この区画障害では脛骨神経領域での感覚障害となる。
• 「3：三焦の下合穴」は委陽で大腿二頭筋・腓腹筋に関連し、腓腹筋は浅後方コンパートメントに属する。
• 「4：胆の下合穴」は陽陵泉で長腓骨筋の前縁にある、長腓骨筋は外側コンパートメントに属する。