解説:
食道は、咽頭と胃を連絡する全長約25cmの管である。
第6頚惟の高さに始まり、気管の後方を通過し、横隔膜を貫いて噴門で終わる。
大動脈と食道の位置関係を見ると、上行大動脈は食道前方を走行する。
大動脈弓で大動脈が反転するとき、前から後ろに走行する位置を変えるため、胸大動脈は食道の後方を通る。
そのまま横隔膜を貫き、食道は大動脈の前で横隔膜を貫く。
4:食道の狭窄部位は3カ所ある。
1つ目は輪状軟骨による狭窄で、咽頭から食道への移行部で圧迫される。
2つ目は大動脈による狭窄で、分岐する気管と屈曲する大動脈弓により圧迫される。
3つ目は横隔膜による狭窄で、横隔膜を貫く食道裂孔で圧迫される。
左心房の高さは2つ目と3つ目の間に相当し、この高さでは生理的に狭窄しない。