解説:
肝臓の大部分は漿膜に覆われる。ただし横隔膜が接する横隔面は漿膜が存在せず、4:無漿膜野と呼ばれる。
1:胎盤で動脈血となった血液は、1本の臍静脈に集まる。臍静脈は臍帯を通って胎児に戻り、肝鎌状間膜を通って肝臓下面に達し、生後は肝円索となって残る。一方、臍動脈は内腸骨動脈から左右に1本ずつ出て、母胎に静脈血を運ぶ。生後は臍動脈索として骨盤内に残る。
2:胆嚢は右葉と方形葉の間にある。胆嚢の右側にあるのは右葉であり、方形葉は胆嚢の左側にある。肝門は肝臓下面の左寄りにあり、血管や神経、胆汁を運ぶ管が出入りする。
3:肝門を通過する主な構造物は、肝臓に酸素を運ぶ固有肝動脈、消化管で吸収した栄養を肝臓に運ぶ門脈、肝臓から分泌された胆汁を運ぶ肝管である。肝静脈は肝臓の後縁から出て、すぐに下大静脈と合流する。