解説:
按腹による腹証は、7つの診査法を示している。設問の他に食痞の腹・積聚の腹・脚気の腹がある。
1::下腹に大きな塊を触知する場合、婦人では血塊、男子では仙気の病証である。
2:心窩部にみる硬結は、心労や不食、気うつして不眠をみる病証である。
3:動気があり腹全体に力がなく、皮膚がざらつくものは虚の病証である。
4:鳩尾付近に限局した不動性の硬結がみられる病証である。なお、食痞の腹とは、左季肋部付近に宿食による硬結がある病証。背部第7・第9胸椎付近にも「こり」が出て、悪心や疼痛がある。積聚の腹とは、中院付近にむくみと左腹に積氣による動悸があり、ひきつる病証。なお、臍下が他人の肌のようにしびれるのは脚気の腹である。