解説:
1:高カルシウム血症は、副甲状腺機能亢進症で副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて骨吸収の促進及び腎でのリン再吸収とカルシウムの排泄抑制が起こった場合や、癌(骨髄腫)によって骨が破壊されて血中にカルシウムが大量に放出された場合にみられる。副甲状腺機能低下症では血中カルシウムは低下する。
2:アジソン病では、血中ナトリウムは減少して低ナトリウム血症を生ずる。
3:アジソン病は、副腎の悪性腫瘍などの病変により機能が低下して副腎皮質ホルモンの分泌不足が起こって生ずるものであり、易疲労性、脱力感、衰弱、体重減少などの一般症状と、全身の色素沈着(茶褐色)、低血圧、胃腸症状、精神・神経症状、無月経などがみられ、血液検査では高カリウム血症、低ナトリウム血症、低血糖、鉄欠乏性貧血、白血球減少、好酸球増加を示す。低カリウム血症は、副腎皮質の病変による機能低下で起こる原発性アルドステロン症や他の疾患に続発して起こる続発性アルドステロン症でみられる。
4:リンは、カルシウムとは逆に、副甲状腺機能亢進症では腎でのリン再吸収の抑制が起こるので血中の量は低下し、副甲状腺機能低下症では上昇する。