解説:
1:脳出血は、脳実質内に出血したものであり、意識障害を生じて倒れ、片麻痺が起こる。頭痛、嘔吐、痙攣を伴うことが多い。出血部位のうち約3/4は大脳半球で、その大部分は内包基底核付近である。ついで、視床、小脳、橋などに起こる。被殻出血では血腫が内包を障害する。片麻痺(はじめ痙性、のちに弛緩性)、感覚障害、共同偏視、失語、失行、失認などがみられる。
2:視床の出血では、片麻痺のほか、鼻先を見つめるような共同偏視、縮瞳、瞳孔不同、対光反射消失などの目の症状を生ずる。
3:前頭葉は好発部位ではない。
4:小脳の出血では、めまい、悪心、嘔吐、後頭部痛を訴える。起立や歩行が不安定になる。反対側を見つめる共同偏視、縮瞳、瞳孔不同、眼球上下運動などの目の症状を生ずる。このほか、橋出血では、深い昏睡、四肢麻痺、除脳硬直、縮瞳、眼球上下運動などがみられる。