解説:
2:手根管症候群は、手根骨と屈筋支帯の間の間隙に作られる手根管内を、浅指屈筋、深指屈筋、長母指屈筋および橈側手根屈筋の腱と共に通っている正中神経が絞扼されて、支配領域の症状を呈するものである。
疼痛やしびれ感、知覚異常などは第1~第3指の掌側と第4指の橈側の掌側、および末節の背面にみられる。
1:肘部管症候群は、肘の内側にある尺側手根屈筋の上腕骨内側上顆から起始する上腕頭と、肘頭および尺骨後縁上半部から起始する尺骨頭の2頭の間に張っている線維性筋膜(腱弓)の下のトンネル部分である肘部管を通る、尺骨神経が絞扼されて支配領域に症状が起こるものであり、橈骨神経が障害されるものではない。
3:梨状筋症候群は、梨状筋下部を通って後方に出て来る坐骨神経が絞扼されて、下肢の症状をきたすものであり、大腿神経が障害されるものではない。
4:足根管症候群は、足首の内果の後下部の屈筋支帯の下の足根管部で脛骨神経が絞扼されて足底部や足趾の症状をきたすものであり、総腓骨神経が障害されるものではない。