解説:
1:神経性食思不振症は、積極的な接触拒否状態が続き、体重減少をきたすもので、思春期の女性に多く好発する。無月経のうち病的無月経には、原発性無月経と続発性無月経があり、続発性無月経には卵巣腫瘍などの病変による機能低下が原因となるもの、間脳・下垂体の病変による機能低下が原因となるものなどがある。神経性食思不振症で起こる場合もある。
2:統合失調症は、精神の失調の1つの状態であり、自分の思考や行動を統合することができない状態である。緊張型、破爪型、妄想型およびその他に分類される。不安感、孤独感、強迫観念、抑うつ感などの前駆症状がみられる。幻覚(幻聴など)、妄想、自我意識の障害がみられ、また意思・欲望、感情、思考などの障害もみられる。せん妄は意識障害のうちの認識機能の障害に属するものであり、覚醒して活動しているが認識障害に精神的興奮が加わって多弁多動となり、幻覚、錯覚、妄想などを生じ、正しい思考や判断ができない。統合失調症ではみられない。
3:神経症は、心理的原因によって精神と肉体に機能障害が引き起こされるものであるが、幻聴はみられない。幻聴は前記のように統合失調症でみられることがある。
4:うつ病の主な症状は、全身倦怠、疲労、不眠(睡眠障害)、意欲の欠如、全身の種々の部位の疼痛であり、その他に消化器症状、循環器症状、呼吸器症状、泌尿・生殖器症状、運動器症状など多彩な症状を訴える。また、悲観的、自責的、絶望的な観念に陥り絶えず自殺を考えやすい(自殺念慮)。自我障害は統合失調症でみられる。