解説:
1:関節リウマチ(RA)は、多発性の関節炎である。両側あるいはいくつかの関節に炎症が起こり、関節の疼痛、腫脹、変形、手の朝のこわばりなどがみられる。日光過敏症はみられない。日光過敏症は、普通の量の日光の照射で発赤、浮腫、発疹などの皮膚症状が出現するもので、光線過敏症、日光性皮膚炎などともいわれている。原因は明らかではない。
2:皮層筋炎は膠原病の一種で、皮虜と骨格筋の非特異的炎症と変性をきたす疾患であり、多発性筋炎ともいわれる。筋無力症状と疼痛を主徴とし、筋の萎縮、硬化、脱力をきたし、歩行や上肢の運動困難、呼吸困難、発声困難、嚥下困難などをきたす。皮膚には萎縮、強皮症、紅斑性発疹などがみられる。顔面部にみられる蝶形紅斑は全身性工リテマトーデス(SLE)で出現する。
3:強皮症は、全身性の結合識の炎症性疾患であり、20~50歳代の女性に多い。初期には手や指の浮腫が出現し、しだいに肥厚、硬化を起こす。皮膚症状はしだいに全身に及ぶ。また、初期からレイノー現象(冷刺激によって発作性の血管収縮が起こって、皮膚が蒼白やチアノーゼをきたして冷たくなる)がみられる。
4:ベーチエツト病は、20歳代の男性に多く、口腔粘膜症状(アフタ性潰瘍)、眼症状(ブドウ膜炎、紅彩炎)、外陰部症状(アフタ性潰瘍)、皮膚症状(結節性紅斑様皮疹)、関節炎、嘔気、嘔吐、下痢などの症状がみられるが、スワンネック変形はみられない。スワンネック変形は、近位指節間関節(PIP関節)の過伸展と遠位指節間関節(DIP関節)の屈曲位を呈するものであり、関節リウマチでみられることがある。