解説:
1;閉塞性肺疾患とは、気道が狭窄あるいは閉塞して空気の流れが悪くなり、呼気量が減少して息が吐きにくくなるものであり、慢性気管支炎、気管支喘息、肺気腫、気管支拡張症などがある。肺結核は、抗酸性桿筋の結核菌の感染によって起こるものであるが、閉塞性肺疾患ではない。
2:肺気腫は、閉塞性肺疾患の一種であり、終末気管支鞘以下の含気区域が肺胞壁の破壊的変化によって拡大し、過度に肺胞が膨張をきたしているものである。疾患としては慢性気管支炎が原因に成りやすい。咳、運動時息切れ、喘息、喘息発作、動悸、浮腫などがみられ、胸郭はビール樽状を呈する。
3:肺線維症は、肺にびまん性に線維性結合組織が増殖し、組織の硬化と萎縮を生じたものをいい、拘束性呼吸器疾患の一つである。肉化肺炎あるいは問質性肺炎の末期に起こることが多く、線維化によって肺硬化が起こり、肺胞壁の肥厚、肺胞腔の狭小をきたす。肺活量減少がみられ、発熱、乾性咳嗽、息切れ、呼吸困難(呼吸不全)などがみられる。
4:マイコプラズマ肺炎は、経気道感染であり、学童期から20歳代の青年期に多く発症する。感染では、まず気管支上皮の線毛細胞に付着、増殖して気道障害を起こし、次いで気管支周囲炎、細気管支炎、問質性肺炎などを起こして肺組織障害を生じる。症状は、下気道粘膜障害による強く頑固な咳嗽がみられ、咽頭痛、鼻汁、頭痛や関節痛、時には消化器症状(悪心、嘔吐、下痢など)などがみられる。