次の文で示す患者の経脈病証を原絡配穴法で治療する場合、主証で選穴するのはどれか（２９回）

解説：

原絡配穴法は、先に病んだ経絡を主とし、次に病んだ経絡を客とし、主の原穴と客の絡穴配穴する方法である。

まず2か月前からの症状として、上歯は胃経の流注であり、鼻出血、腹鳴は胃の所生病である。よって主は胃経となる。次に昨日からの症状として書かれている舌根部は脾経の流注に含まれる。

また脾の所生病として心下痛がある。心下はみぞおちあたりで心窩部のことである。また食べると吐くのは脾の是動病である。よって客は脾経となる。

このように表裏の主客原絡配穴が国家試験では度々出題される。この場合、衝陽(胃の原穴)と公孫(脾の絡穴)の組み合わせでの治療となる。主の選穴とあるので衝陽が正解となる。

舌診では舌根は腎のエリアとなり、難経の腹診では心下は心のエリアであるが、本設問は経脈病証で捉えよとあるので、流注や病証の幅広い知識が必要となる。