解説:
理学的検査と病態部位との関連を問う設問である。
1:インピンジメントが肩関節外転時における大結節と肩峰との間のインピンジ(圧迫)に由来する所見であることから、頚部ではなく、肩関節であり誤り。
2:チェアテストは、テニス肘等の上腕骨外側上顆炎に対して、肘関節伸展位でチェア(椅子)等を持ち上げさせることによって前腕伸筋群が上腕骨外側上顆に付着していることから、この部にストレスをかけて痛みの有無を見るものである。したがって肩関節ではなく、肘関節であることから誤り。
3:モーリーテストは、側頚部の前斜角筋部を圧迫することによって、この部で動脈や神経の圧迫から上肢への症状の再現を見るものであり、斜角筋症候群(胸郭出口症候群)を調査するテストである。したがって、肘関節ではなく頚部であることから誤り。
4:ファレンテストは、両手関節を90度屈曲した状態を保つときに30秒から1分程度で手指のしびれや知覚異常が出現したときに、手根管症候群を疑うものであり、手根管部分での正中神経の圧迫負荷試験である。したがって、手関節が正しい。