次の文で示す病証で最も適切なのはどれか（３０回）

解説：

気は血を生み出すため、気が不足すると血を化生する力が低下し、気虚が進むと血虚となりやすくなる。同時に起こると気血両虚となる。

• 気虚では息切れ、懶言、眩暈、自汗、倦怠感、易感染などの症状がみられる。
• 血虚では顔面蒼白、眩暈、心悸、不眠、健忘、目のかすみ、しびれ、抜け毛などの症状がみられる。

症例にある症状と一致することから「4：気血両虚」と考えられる。

抜け毛は気血両虚の他にさまざまな原因があり、他の選択肢も全て脱毛につながるものである。

• 「1：肝腎陰虚」では肝血と腎精が不足する。陰血の不足により血の余である髪への血流が足りず、脱毛となる。
• 「2：心火亢盛」は実熱で頭に熱が滞り、陰液が不足すると脱毛となる。舌尖紅絳、脈数有力である。
• 「3：気滞血瘀」では血行障害になるので毛髪の栄養不良となり脱毛となる。濇脈(渋脈)、舌は瘀斑、舌下静脈怒張である。

※1・2・3は舌脈所見のみでも症例に一致しないことがわかる。