解説:
滲出性炎は、血管内から滲出する成分によって分類される。
「4:線維素性炎」では、血管内のフィブリノゲンが滲出し、フィブリンとなり組織に沈着する。
その他の選択肢は以下の通り。
- 「1:壊疽性炎」は、腐敗性炎ともいい、組織の壊死に腐敗菌の感染が加わったものをいう。
- 「2:化膿性炎」では、多量の好中球が滲出する。
- 「3:漿液性炎」は、滲出するのは漿液のみであり、細胞成分はほとんど含まない。
滲出液による炎症の分類は以下になる。
滲出液 |
特徴 |
代表疾患 |
漿液性炎
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・細胞成分少ない
・水が主
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これら(米とぎ汁便)、虫刺され、アレルギー性鼻炎
※カタル性炎:「粘膜の炎症をカタル」と呼ぶことがあった。例えば鼻炎であれば鼻カタルと表現する。
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線維素性炎 |
フィブリノゲンが多い |
・ジフテリア(フィブリンによる偽膜を作る)
・大葉性肺炎
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化膿性炎 |
・膿瘍・蜂窩織炎・蓄膿
・好中球が主(膿は好中球の残骸)
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・膿瘍(肝膿瘍・肺膿瘍など)
・急性虫垂炎・副鼻腔炎
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出血性炎 |
赤血球が出現(血管破壊により) |
・腸管出血性大腸菌(ベロ毒)
・インフルエンザ菌による肺炎
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+壊死性炎・腐敗性炎(壊疽性炎)