次の文で示す症例について下記の問いに答えよ(２１回)

解説：

症状、口すぼめ呼吸から2：肺気腫が考えられる。

肺気腫は、終末気管支鞘以下の含気区域が、肺胞壁の破壊的変化によって拡大したものであり、労作時の呼吸困難（運動時息切れなど)、咳嗽、喀淡、喘鳴、喘息発作、動悸、浮腫などがみられ、胸郭はビール樽状を呈する。

呼吸機能検査で、1秒量、1秒率の低下、残気量の増加、動脈血酸素分圧の低下などがみられる。

1：気胸は、原発性気管支炎や慢性気管支炎などの疾患によって肺胞細織が破壊されることによって起こる。突然の胸痛、咳嗽、呼吸困難、息切れ、動悸などを生じる。咳嗽は喀痰を伴わない乾性咳嗽であり、口すぼめ呼吸はみられない。

3：肺水腫は、肺の実質（肺胞、気管支）に水がしみ出して溜まった状態であり、呼吸困難や泡沫状の淡などがみられる。

4：間質性肺炎は、気管支や肺胞腔内の細菌感染などによる通常の肺炎と異なり、肺の支持組織である間質、とくに肺胞隔壁に起こった炎症である（進行して炎症組織が線維化したものは肺線維症とよばれる)。

支持組織が炎症によって肥厚すると肺の膨張・収縮が妨げられ、拘束性換気障害を呈する。

肺活量の低下、ガス交換能の低下をきたすが、1秒率の低下はみられない。

また、咳は淡を伴わない乾性咳嗽である。