解説:
虫垂炎は、虫垂が寄生虫、種、糞石等によって閉塞されて血行障害が起き、大腸菌、連鎖球菌などの感染により急性化膿性炎症を起こしたものである。急性虫垂炎の腹痛は、初期に「1:心窩部痛」がみられる。しだいに臍部、右下腹部に移行し、右下腹部に限局する。
その他の選択肢は以下の通り。
- 2:左下腹部痛は、左側結腸に病変がある急性大腸炎、潰傷性大腸炎、過敏性大腸炎、S字状結腸癌、結腸憩室炎などでみられ、右下腹部痛は阿盲部や虫垂の炎症や癌でみられる。
- 3:右上背部痛は、胆石症で右肩への放散痛とともにみられることがある。
- 4:右季肋部痛は、胆嚢や肝臓の疾患および横隔膜下膿瘍などでみられる。