解説:
末梢性顔面神経麻痺はベル麻痺ともいわれ、急性に一側の顔面筋の麻痺を生じ、前頭部のしわ寄せや閉眼、口笛吹きが不可能で、眼裂が異常に広く開いて閉眼できない兎眼を呈するようになる。
顔面神経は枝の鼓索神経が下顎神経の枝の舌神経と合流して舌の前2/3に分布しているので、4:味覚障害がみられる。唾液分泌障害や涙腺分泌障害(低下)もみられることがある。
1:嗅覚は嗅神経によるので、顔面神経麻痺では障害されない。
2:対光反射の求心性部分は視神経が、遠心性部分は動眼神経が担っているので、顔面神経の障害では消失しない。
3:顔面知覚は三叉神経の支配であるので、顔面神経麻痺では低下しない。