解答:3
- 1.シーハン症候群
- 2.巨人症
- 3.褐色細胞腫
- 4.クッシング症候群
解説:
1:シーハン症候群は、下垂体機能低下の一種で、分娩時の虚脱や大出血による分娩後性下垂体壊死によって、分娩後数年~十数年後に発症するものである。全身倦怠、易疲労性、血圧低下、筋力低下、発育障害、性機能低下、耐寒能低下などがみられる。基礎代謝率の亢進はなく、むしろ低下する。
2:巨人症は、青春期に下垂体腺腫の発育が著明である場合に、下垂体前葉の機能亢進、とくに成長ホルモンの産生亢進によって起こり、発汗や脂肪の分泌過多、高血圧、月経異常(月経不順や無月経)がみられ、また、糖尿、甲状腺腫、甲状腺機能亢進症などがしばしばみられる。
3:基礎代謝量は、安静仰臥位、覚醒状態で消費されるエネルギー、すなわち、生命維持に必要な最小のエネルギー量をいい、対表面積当たりの基礎代謝量は体の大きさに関係なく、ほぼ一定である。単位時間当たりの基礎代謝量は基礎代謝率(BMR)といい、体の大きさ、年齢、性別により異なり、体が大きいほど大きく、女性より男性が大きく(男性のほうが筋肉が多く、脂肪が少ないため)、成人後は加齢とともに低下する。基礎代謝率は、運動時には著しく増加するが、そのほかにも、発熱時、食後(特にたんぱく摂取後)、妊娠時や交感神経系の興奮、および甲状腺ホルモン、テストステロン、成長ホルモン、インスリンなどのホルモンによって亢進する。甲状腺ホルモンは基礎代謝を調節する主要なホルモンである。また、副腎髄質からのアドレナリンやノルアドレナリンの分泌が増加すると代謝の亢進が起こる。褐色細胞腫は、副腎髄質細胞や交感神経節細胞などのクロム親和性細胞から発生する腫瘍であり、アドレナリンやノルアドレナリンなどのカテコールアミンの産生・分泌のために、高血圧、代謝亢進、糖尿(高血糖)、頭痛、発汗過多を生じ、また、動悸、起立性低血圧などを伴う。したがって、基礎代謝率が亢進する。
4:クッシング症候群は、副腎皮質の機能亢進によるものであり、下垂体前葉の機能亢進や副腎の腺膜や癌により副腎皮質ホルモンの過剰分泌が起こって生ずるものである。異常脂肪蓄積による肥満や無気力、無筋力、高血圧、糖尿病、骨粗鬆症、無月経、その他の多くの症状を示す。下垂体機能亢進症によるものはクッシング病という。