解説:
呼吸機能検査は以下の機能を評価する。
- 肺胞における空気の出入り(=換気)
- 肺毛細血管の血液の流れ(血液)
- 肺胞と肺毛細血管の間のガス交換(拡散)
閉塞性換気障害(COPD)の場合、1秒率の低下(空気を勢いよく吐き出せず、時間がかかる状態)が起こる。
1:気管支喘息は、リンパ球を主体とした気道の炎症でであり、気道の狭窄と気管支腺の過分泌状態を呈するため、肺機能上閉塞性障害(1秒率低下)をきたす疾患であることから、呼吸機能検査において閉塞性換気障害を示す。
2:胸水貯留は、悪性腫瘍(肺癌・乳癌など)、心不全などで起こり胸部X線検査、CT検査、注射針穿刺などを用いる。
3:間質性肺炎は、肺の間質(肺の空気が入る部分である肺胞を除いた部分で、主に肺を支える役割を担っている)を中心に炎症をきたし、肺活量や肺拡散能検査を用いる。
「肺拡散能低下」は拘束性障害と共に、間質の肺炎や浸出液の貯留・線維化などが起こる間質性肺疾患でみられる症状である。
4:肺動脈血栓症は、主に下肢などの静脈内で血液が強固して生じた血栓が、肺動脈に詰まることで起こりCT検査を用いる。