臨床医学各論(全470問)
次の文で示す症例について、次の問いに答えよ(30回)
53歳の男性。転倒受傷し頚髄損傷と診断された。上肢は両肘屈曲のみ可能で下肢は完全麻痺。温痛覚、触圧覚は上肢では両肩周囲のみ残存していたが、それ以下の体幹、下肢では脱失。
患者はリハビリテーションを行ったが、麻痺の改善はなく、損傷レベル以下の完全麻痺が残存した。本患者の実用的移動手段で適切なのはどれか。
- 車椅子駆動
- 短下肢装具での歩行
- 両長下肢装具と松葉杖使用での歩行
- 電動車椅子操作
解答:4
- 1.車椅子駆動
- 2.短下肢装具での歩行
- 3.両長下肢装具と松葉杖使用での歩行
- 4.電動車椅子操作
解説:
本症例は、設問からC5高位損傷と考えられる。
根拠は『次の文で示す症例について、次の問いに答えよ(30回)』を参照。
各設問に対する解説は以下になる。
- 「1:車椅子駆動」の実用レベルはC6(電動車いすの実用でベルはC5)。
- 「2:短下肢装具」を用いての歩行における実用レベルはL4(L3との文献もあり)。
- 「3:両長下肢装具と松葉杖使用での歩行」の実用レベルはT12。
- 「4:電動車椅子操作」は(下顎などを力原として操作であれば)C1でも可能。したがって、C5損傷は電動車椅子操作は可能。←正解
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53歳の男性。転倒受傷し頚髄損傷と診断された。上肢は両肘屈曲のみ可能で下肢は完全麻痺。温痛覚、触圧覚は上肢では両肩周囲のみ残存していたが、それ以下の体幹、下肢では脱失。