解説:
ボアス点(ボアス圧痛点)は、胃潰瘍・十二指腸潰瘍のときに背部に出現する圧痛点をいう(内臓体性反射)。
胃部不快感に対する背部のボアス点への押圧刺激は、体性内臓反射にもとづいた症状の改善などが期待されている。
- 「1:誘導作用」は、「局所の炎症症状や皮下出血などが著明で、直接患部に施術できないときにその部より心臓に近い部位に施術し、患部の病的滲出物や出血などを誘導する作用」をいう。
- 「2:消炎作用」は「炎症の主要症状としてみられる痛み、発赤、腫れ、局所の熱感(発熱)などを抑える作用」をいう。
- 「3:反射作用」は「病巣部から離れた部位に施術し、反射機転を介して神経・筋または内臓などの異常を調整する作用」をいう。ボアス点への押圧刺激は、反射機転を介した胃部不快感の改善が期待されている。
- 「4:矯正作用」は「関節周囲の軟部組織の拘縮などにより関節運動の制限をみるとき、その部の滲出物の破壊や吸収の促進、癒着の剥離、短縮した軟部組織の引き伸ばしを行い、可動域や変形の改善などをもたらす作用」をいう。