解説:
医療のパターナリズムとは「患者の最善の利益の決定の権利と責任は医療従事者側にあり、患者は医療従事者に委ねればよいという考え方」を指す。
パターナリズムは「父親が子供に対するような態度」をさし、父権主義、親心主義とも訳される。
設問における患者が「よろしくお願いします」と言い、医療従事者が「お任せください」と 言う会話から考えられる両者の関係は、患者が治療を医療従事者に委ねていることから、「1:パターナリズム」に該当する。
その他の選択肢
その他の選択肢は以下の通り。
セカンドオピニオン
「2:セカンドオピニオン」とは以下を指す。
よりよい決断をするために、当事者以外の専門的な知識を持った第三者に求める「意見」または「意見を求める行為」のこと。
同じ医療従事者でも研鑽してきた過程・自身の価値観・臨床経験などにより意見が異なる場合がある。
私の祖母は「長年、診察を受けてきた医師から問題ないと言われていた腫れが、なかなか改善されないためセカンドオピニオンを受けた結果、悪性腫瘍と診断され即手術となった」という事があった。
一人の医療従事者を妄信し受け身にならず、疑問に思ったらセカンドオピニオンを含めた能動的な行動を患者は取るべきである。
インフォームドアセント
「3:インフォームド・アセント」とは以下を指す。
小児を対象とした治験を行う際、子どもの理解度に応じてわかりやすく説明し、その内容について被験者である小児自身が納得すること、そして試験に関する同意を得ること。
ザックリと解説するなら「小児版インフォームド・コンセント」である。親に対して説明と同意を求めるだけでなく、小児自身に対してもインフォームドアセントを得ることが大切となる。
インフォームドコンセント
「4:インフォームド・コンセント」とは以下を指す。
「医師(あるいは医療従事者)と患者との十分な情報を得た上での合意」を意味する概念のこと。
医療従事者は「お任せください」と言って一方的に介入するのではなく、「介入の意図、メリットやリスク、その他の選択肢の提示」など必要な内容を提示し、患者の同意を得ながら、二人三脚で治療を進めていくことが基本となる。