解説:
1:クモ膜下出血は、クモ膜と軟膜の間のクモ膜下腔への出血であり、脳動脈瘤破裂によるものが圧倒的に多く、脳動静脈奇形からの出血もわずかにみられる。ゆえに脳動脈瘤破裂は正しい。
2:ポリオは、ポリオウイルスが経口的に侵入して脊髄灰白質(とくに前角)の炎症(脊髄灰白質髄炎)、および延髄、橋、中脳の運動神経細胞、大脳皮質運動野の炎症を起こし、運動障害を生ずるものである。脊髄前角細胞の破壊がみられるので正しい。
3:進行性筋ジストロフィーは、遺伝性に筋肉が進行性に変性をきたす疾患であり、大部分はデュシェンヌ型筋ジストロフィーである。デュシェンヌ型は仮性肥大型ともいわれるように、腓腹筋の仮性肥大がみられるので正しい。
4:ギラン・バレー症候群は、末梢神経の脱髄と単核球浸潤が主体の末梢神経障害をきたしている疾患であり、上気道感染の後に2~4週間の間隔をおいて発症することが多く、急激に四肢の脱力、麻痺、両側顔面麻痺が起こり、重症例では呼吸筋麻痺や球麻痺をきたす。中枢神経障害ではないので誤りである。