解説:
腹診に関する設問である。
1は、心下部の自覚的なつかえ感(痞)と他覚的な緊張・硬結(硬)を伴うもので、心と関連することから誤り。
2は、季肋下部から心下部にかけての広い鮠囲にわたって、他覚的な緊張および自覚的な張満感等を感覚するもので、肝と関連することから誤り。
3は、左右腸骨下部から臍に向かって擦過したときに特徴的な腹壁の痛みを自覚したり、腸骨内側下部の硬結・圧痛等を訴えるものであるが、瘀血の腹証で誤り。
4は、臍下部の知覚鈍麻あるいは皮膚の軟弱等を指すもので、腎と関連する腹証であり、これが答えである。なお、小腹は下腹部全体を指し、少腹は左右の下腹部を示し、少腹急結が正しい用語といえる。