解説:
1:高脂血症は「血中に脂肪成分のコレステロール、遊離脂肪酸、リン脂質、トリグリセリド(中性脂肪)のいずれかが増加している状態」である。
一次性と二次性があるが、二次性のもので内分泌疾患としては「甲状腺機能低下症、クッシング症候群、下垂体機能低下症、糖尿病、肥満症」などがある。
※甲状腺機能亢進症は原因とはならない。
2:ネフローゼ症候群は、リポイドネフローゼ、糸球体腎炎、アミロイドーシス、膠原病などの原因疾患により糸球体基底膜の透過亢進が一次的異常として起こり、蛋白が尿中に出てしまい血中には少なくなるので蛋白尿、低蛋白血症、浮腫を生じ、また高脂血症をきたす。
3:アジソン病は「副腎の悪性腫瘍などの病変により機能が低下して副腎皮質ホルモンの分泌不足が起こって生ずるもの」である。
- 一般症状:易疲労性、脱力感、衰弱、体重減少など。
- 全身症状:全身の色素沈着(茶褐色)、低血圧、胃腸症状、精神・神経症状、無月経など。
※高脂血症は生じない。
4:肝硬変では、全身倦怠、易疲労、食欲不振、腹部膨満感、くも状血管腫、手掌紅斑、黄疸、腹水などを生じる。
※高脂血症は生じない。