解説:
拘束性換気障害とは、肺胞壁や肺胞隔壁などの肺の実質の硬化(肥厚)による弾性の低下(肺コンブライアンスの低下)などのために、肺や胸郭が広がらなくなり、吸気量が減少し息が吸いにくくなる状態である。
拘束性換気障害をきたす疾患すなわち拘束性肺疾患の代表例は、びまん性問質性肺炎、および3:肺線維症である。
どれだけ吸えるかの指標である%肺活量が80%以下になる。肺の実質の硬化(肥厚)は、肺胞壁内の間質や肺胞壁間の間質(肺胞隔壁)の炎症により修復を繰り返すうちに線維化することによって起こる。
拘束性換気障害は、このほかに肺気量の減少をきたす無気肺や肺切除でも起こる。
肺線維症は、肺に線維性結合組織の増殖が起こって、組織の硬化と萎縮を生じた状態である。
拘束性肺疾患とは異なり、気道が狭窄あるいは閉塞して空気の流れが悪くなり、呼気量が減少して息が吐きにくくなるものは閉塞性肺疾患であり、1:気管支喘息、2:慢性気管支炎、4:肺気腫、細気管支炎その他がある。どれだけ吐けるかの指標である1秒率が70%以下になる。ちなみに急性気管支炎は拘束性あるいは閉塞性の肺疾患ではない。