解説:
1:内頚動脈は椎骨動脈とともに脳に血液を送る血管であり、動脈硬化により狭窄が起こると脳の血流障害により頭重、めまい、物忘れなどの症状を生ずる。
間欠(性)跛行は、歩き始めると下肢のだるさや痛みのために数十ないし数百メートルで歩けなくなるが、腰を曲げたり、しゃがんで休むと症状が消退ないし軽減して再び歩けるようになる状態をいい、大腿動脈などの下肢の血行障害による血管性と、馬尾神経の圧迫(脊柱管狭窄症など)による馬尾性がある。
2:冠動脈の硬化によって血管が狭窄あるいは閉塞して心筋の血流が減少すると胸痛を生じる。血管が閉塞して心筋の壊死が起こると持続時間の長い胸痛が起こり、安静にしても治まらず、ニトログリセリンでも軽快しない(心筋梗塞)。
3:腎動脈の硬化によって腎血流量が減少すると腎血管性高血圧を生じる。蛋白尿、浮腫、乏尿または多尿がみられる。二次性高血圧(症候性高血圧)は、このほかに腎炎その他の腎および尿路疾患による腎性、内分泌性疾患(褐色細胞腫、アルドステロン症、Cushing症候群、Conn症候群、甲状腺機能亢進症、糖尿病など)、妊娠中毒症などで起こる。
4:大腿動脈が硬化して狭窄すると、下肢の血流が減少するので冷感を訴えるようになる。狭窄が顕著で血流が著しく減少すると疼痛を生じ、また、長い距離の歩行が不可能になる(血管性間欠跛行)。