解説:
骨粗鬆症は、骨の絶対量すなわち骨塩量が減少した状態であり、骨梁が減少し骨皮質は薄くなって脆弱化し、わずかな外力で骨折が起こりやすくなる。脊椎が骨折すると脊柱の後彎が起こり円背を呈する。閉経後骨粗鬆症が多いので女性に多い。閉経後の骨粗鬆症は骨吸収の促進が著しい。ほかに老人性骨粗鬆症、内分泌性骨粗鬆症、栄養性骨粗鬆症などがある。
1:閉経後骨粗鬆症患者に対しては骨吸収抑制剤などを用いて骨量減少の抑制をはかるが、ビタミンAは用いられない。ビタミンAの投与は、ビタミンAの欠乏症である夜盲症に行われる。
2:活性型ビタミンDはCa代謝平衡の是正および骨への直接作用が期待されて用いられる。
3:エストロゲンは、卵胞ホルモンであり、骨芽細胞からの骨形成促進因子の分泌やその作用を促進する作用がある。閉経後にエストロゲンの分泌が減少して血中濃度が低下し、それにより骨形成が減少し、さらに骨吸収が促進されているので、不足しているホルモンを補給するために投与される。
4:カルシトニンは、甲状腺ホルモンであり骨吸収の抑制作用があり、また鎮痛作用があり、骨粗鬆症に用いられる。