解説:
鼠径管は鼠径靭帯の上方を走行する約4~5cmの管で、性別によって通過するものが異なる。
男性は、精管、精巣動脈・静脈、精巣挙筋が通過する。
女性では1:子宮円索となる。子宮円索(別名:子宮円靭帯)は、子宮の外側上部と大陰唇を結ぶ細いひも状の構造物で、子宮体部を前側方に支える。
2:臍動脈索は出生時に閉鎖した臍動脈が変化したもので、膀胱外側と臍を結ぶ。
3:卵巣堤索と4:固有卵巣索は、共に卵巣を固定する役割を持つ。卵巣堤索は骨盤と卵巣を、固有卵巣索は子宮と卵巣を固定する。また、卵巣堤索の内部には卵巣動脈が通っており、卵巣を栄養する役割を兼ねる。