解説:
脂肪(脂質)のうち、食物中の単純脂質の大部分は中性脂肪(トリグリセリド)であり、脂肪の消化とはこの中性脂肪の消化のことをほぼ意味している。
中性脂肪は、水に不溶のため、まず1:胆汁に分泌される胆汁酸によって2:乳化作用を受け、液体中で分散した状態となり、膵液に分泌された消化酵素である3:リパーゼによって、モノグリセリドと脂肪酸に分解される。
その後、脂肪酸とモノグリセリドは胆汁酸とともに水溶性の脂質集合体(ミセル)を形成して小腸粘膜の微絨毛表面まで運ばれる。
ここで、脂肪酸とモノグリセリドはミセルから離れて小腸上皮細胞内に吸収される。
4:アミラーゼは唾液と膵液に含まれる糖質の消化酵素で、デンプンをマルトース(麦芽糖)に分解する。