解説:
1:肝硬変では、慢性肝不全をきたし、肝細胞の壊死による肝細胞の機能不全によって起こる水・電解質異常および代謝異常や、肝網内系の機能不全にもとづく肝とそのほかの種々の臓器の機能障害(多臓器不全)による症状も生じてくる。肝硬変では、GOT、GPTの軽度または中等度上昇、アルカリフォスファターゼ上昇、ビリルビン軽度上昇などが起こる。血小板の異常はみられない。
2:肝硬変では、プロトロンビン時間短縮はみられない。プロトロンビン時間短縮は低プロトロンビン血症、第V、Ⅶ、X凝固因子の欠乏症で起こる。
3:肝硬変の血清蛋白では、アルブミンの低下(減少)、γ-グロブリンの上昇(増加)が起こるのでA/G比が低下する。
4:コリンエステラーゼは肝実質障害の際に低下する。したがって、肝硬変では低下であり、上昇ではない。