解説:
月経異常とは、月経周期や出血持続時間の長さ、出血量の多少や不快感が正常月経の範囲外に逸脱することの総称である。
1:ネフローゼ症候群は原因によって一次性と二次性に分類される。
一次性は、腎臓や糸球体そのものに病変があって起こるものや原因不明のものを指し、二次性は腎臓以外に原因があり、ネフローゼを引き起こしているものをいう。
いずれも、浮腫・蛋白尿・高脂血症・低蛋白血症の4つの症状は、ネフローゼ症候群を診断するうえで重要な所見となる。
ネフローゼ症候群そのものは月経異常の原因とはならないが、治療にステロイドを使用した場合に月経異常をきたす場合がある。
2:クッシング症候群は、血中のコルチゾルまたは関連するコルチコステロイドの慢性高値によって引き起こされた、一群の臨床異常である。典型的な症状には、満月様顔貌および痩せた四肢を伴う体幹肥満がある。女性では通常、月経異常が生じる。
3:子宮筋腫は、主に子宮筋層内の平滑筋成分から発生し、女性ホルモン(エストロゲン)の働きによって発育する良性腫瘍である。症状として、月経異常、貧血、下腹部痛・膨満感、骨盤内圧の上昇により、排尿障害、水腎症、下肢の浮腫・静脈瘤をきたすこともある。
4:神経性食思不振とは、痩せることを強く望み、太ることを恐れるあまり、食事を極端に制限し、痩せてしまった状態をいう。米精神医学会は、その診断基準に「初潮のあった女性が無月経、あるいは3回以上月経がない」ことをその一つに挙げており、これは月経異常の範鴫である。