解説:
1:上腕骨顆上骨折は、内側上顎、外側上顆の上部で骨折をきたすものであり、子供が転倒して手をついたときに起こすことが多く、頻度が高い。伸展骨折のことが多く、骨折線は前下方から後_上方へ走り、遠位骨片が後上方へ転位を示すことが多い。
2:上腕骨外顆骨折では、外顆に前腕伸筋群が付着しているので、遠位骨片が牽引されてほぼ90°回旋転位してしまう。そのため、整復は困難であるので観血的に手術によって治療することが多い。すなわち手術の適応が多い。
3:フオルクマン拘縮は、上肢の外傷後に、前腕の血行不全による屈筋群の壊死や麻痺のために手の特有な拘縮・変形をきたすものであり、とくに上腕骨顆上骨折や前腕部の外傷後に起こる。屈筋群などの壊死は、動脈の損傷や圧迫などによって生じた動脈性の血行障害や静脈系のうっ血によって起こる(障害は深部の筋ほど強い)。また、神経への阻血や浮腫による圧迫、および壊死筋の瘢痕による絞泥などによって神経麻痺が起こる。麻痺は正中神経が最も多く、次いで尺骨神経が多い。手の拘縮・変形は、手関節屈曲、母指内転、MP関節伸展、PIP関節とDP関節屈曲を呈する。したがって重篤な合併症である。
4:肘関節拘縮に強力に変形矯正を行うのは適切でない。