下記で、最も考えられる疾患はどれか(１５回)

解説：

1：再生不良性貧血は、骨髄の赤血球、白血球、血小板の形成が低下し、末梢血中のそれらが減少することで起こる。

2：鉄欠乏性貧血は、鉄分の長期の不足によりヘモグロビンの産生量が不足して起こる貧血であり、末梢血は小球性低色素性貧血を呈する。鉄分の欠乏は、鉄分の過剰喪失（出血や月経過多)、吸収不足(腸管からの吸収障害)、需要増大（妊娠や成長等）などによって生じる。自覚症状は、顔面蒼白、粘膜蒼白、易疲労性、動悸、息切れ、食欲不振、頻脈、爪の変形（スプーン状爪）等がみられる。「月経血量が増え、労作時に息切れ、眼瞼結膜の蒼白」は本症の症状である。

3：溶血性貧血は、赤血球の崩壊が亢進して貧血を生じるものであるが、一方では代償的に赤血球の造血が亢進している。赤血球の崩壊の亢進によって脾腫、黄疸、高ビリルビン血症、糞尿中のウロビリン増加、赤血球の寿命短縮、大赤芽球症、骨髄赤芽球過形成などがみられる。

4：悪性貧血はビタミンB12の欠乏による骨髄造血細胞の核酸合成障害によって起こる貧血であり、骨髄中に巨赤芽球がみられ、血液中に大球性正色素性赤血球がみられる。