東洋医学概論(全262問)
虚労でみられる腹証はどれか(29回)
解答:4
- 1.心下痞鞭
- 2.胸脇苦満
- 3.少腹急結
- 4.裏急
解説:
- 1:心下痞鞭の痞とは、他覚的なつかえのあるものを意味し、心下に重苦しいなどの症状があるものを心下痞という。また、心窩部に他覚的に抵抗があるものを心下硬といい、その両方を持つものを心下痞鞭という。気滞、気逆、心・心包経の病変が考えられる。
- 2:胸脇苦満は、季肋下部の充満感、圧痛があるもので肝胆経の変動が考えられる。
- 3:少腹急結は、下腹部横の少腹、多くは左側に索状の抵抗や硬さがみられるもので、瘀血、または腎・肝・大腸の変動が考えられる。
- 4:裏急の急とは、厳しい、迫る、などの意味があり、腹裏(腹直筋)の緊張、ひきつれ、つっぱりがあるものを指す。虚証、寒証があり、脾陽虚、肝・肺・腎経の変動が考えられる。よって正しいのは4。