次の文で示す患者の病証の治療方針として適切でないのはどれか（２８回）

解説：

回答無し（不適切問題）←財団回答は3。

症例から、ベル麻痺（特発性末梢性顔面神経麻痺）と考えられる。

急性で一側性の全表情筋麻痺である。東洋医学的には、口眼歪斜といい、風寒の邪が足陽明および足少陽経に侵入し、気血を阻滞することで発症するとされる。弁証としては、風邪・寒邪侵襲で治法は去風散寒であり、択肢の1と2に該当し、それによって気血の阻滞を解除するのが目的となるので4も該当する。また弁証として風痰阻絡も考えられる。外風の侵襲により気滞となることで津液の運行が低下し痰飲となり経絡を阻滞する。よって3も治療方針として適切である。顔面神経麻痺では、他に肝風内動によるものもあり、内風によって顔面経絡を損傷すると考えられる。肝気鬱結では肝気の滞りが経絡を阻滞する。また気血両虚も、肌肉を栄養できないこと、また気虚によって血が滞り、寒邪による凝滞と相まって成因となる。どの起因も、気血の滞りにつながることが共通する。公式の正解は3だが、上記のように選択肢は全てこの症例の治療方針として適当と考えられる。