次の文で示す症例で、患側にみられる所見はどれか（３０回）

解説：

「持続歩行で歩行困難となるものの、一定時間の休息で再び歩けるようになる」というのは間欠性跛行の特徴である。

間欠性跛行は以下で生じる。

• 脊柱管狭窄症
• 閉塞性動脈硬化症

脊柱管狭窄症は休息姿勢（脊柱管が拡大する座位姿勢など）より症状が軽快するが、閉塞性動脈症は変化しない（立ち止まるなどで筋が弛緩すると血流改善で軽快する）。

また、閉塞性動脈硬化症のリスク因子は「高血圧・喫煙など」である。

従って、本症例は閉塞性動脈硬化症であり、「1：後脛骨動脈拍動減弱」が生じる。

その他の選択肢は以下の通り。

• 「2：トンプソンテスト」はアキレス腱断裂の鑑別検査で、腹臥位で膝90°屈曲位にて下腿三頭筋の筋腹をつかむと、健側では足関節底屈となるが、断裂側では底屈がみられないものである。
• 「3：ボンネットテスト」はSLRの増強法でSLR陽性の場合に少し脚を下げ、股関節を内転・内旋させた際、殿部や下肢後面に坐骨神経に沿って疼痛が生じれば陽性とする。
• 「4：アキレス腱反射減弱」は脊柱管狭窄症による間欠性跛行の場合は考えられるが、この症例(閉塞性動脈硬化症)ではみられないと考えられる。