解説:
1:リンネ試験では前庭機能障害(平衡感覚障害)は検査できない。
リンネ試験とは、振動させた音叉を気導(外耳道に近づける)と骨導(乳様突起に接触させる)で、聞こえる時間の長さを比較することで感音性難聴と伝音性難聴を区別する検査である。
2:バレー徴候は錐体路障害をみる検査で、①下肢では腹臥位で膝関節を約135°に屈曲させ、そのままの姿勢で保持させると麻痺側下肢が下降する。②上肢では閉眼させ、手のひらを上にして前方に水平挙上し、そのまま保持させると麻痺側上肢が下降する。
3:歯車現象とは伸張反射の亢進により他動的に関節を動かすと断続的な抵抗を示す状態をいい、錐体外路障害(パーキンソン病など)でみられる。
4:深部感覚(関節覚)の障害がある場合、ロンベルグ徴候は強度の陽性を示す。すなわち、開眼時は眼の補正により身体のふらつきは少ないが、閉眼時はふらついて転倒する。