解説:
1:ロンベルグ試験(つま先をそろえて両足起立し、開眼時と閉眼時の身体のふらつきを比較する)では、脊髄後素性失調は開眼時には眼の補正によりふらつきが少なく、閉眼時にはふらつきがひどくなり、強度の陽性となる。
ちなみに、小脳性失調では、開眼時、開眼時のいずれもふらついて差がなく陰性となる。これが最も適切な検査。
2:変換運動(両手をできる限り速く回外・回内させる)では、脊髄後素性、小脳性失調とも遅くて不規則となる。
3:踵膝試験(仰臥位で一側の踵を他足の膝の上にのせ、脛骨前面を踵でこすりながら足背部までずらせる)では、脊髄後索性失調は脛骨前面で何回かずり落ちる。小脳性失調では左右に振れながら踵をずらしていき、最後は足背より滑り出る。
4:書字試験(字を書かせる)では、小脳性失調は字がだんだん大きくなる(大字症)が、脊髄後索性失調では異常はみられない。