解説:
門脈圧亢進症とは、門脈を経て肝静脈が下大静脈に流入するまでの間で狭窄・閉塞をきたしたため、門脈が異常に上昇した状態をいい、肝硬変などでみられる。
その場合の門脈血の側副血路として
①臍静脈→腹壁静脈・内胸静脈→上大静脈
②左胃静脈→食道静脈→奇静脈→上大静脈
③下腸管膜静脈→直腸静脈叢→内腸骨静脈→腹壁静脈→上大静脈
などがある。
それぞれの側副血行路の血流量が増加するため、①ではメズサの頭(臍周辺の腹壁静脈が放射状に怒張)が、②では食道下部のうっ血のため食道静脈瘤が、③では直腸下部のうっ血により4:内痔核などが、それぞれみられる。
1:黄疸、2:クモ膜状血管腫、3:女性乳房は全て肝硬変でみられるが、門脈圧の亢進によってみられるものではない。