解説:
1:シャイドレーガー(Shy-Drager)病は、脊髄小脳変性疾患の一つであり、中年以降に発症し、起立性低血圧、発汗障害、排尿障害、勃起障害(陰萎)などの自律神経症状と錐体外路性症状(パーキンソン症状)あるいは小脳性運動失調が起こる。頭部のCTやMRIで小脳、橋の萎縮を認める。
2:筋萎縮性側索硬化症は、上位運動ニューロン(錐体路)と橋、延髄、脊髄から出る下位運動ニューロンが進行性に変性し、錐体路徴候、筋力低下、筋萎縮が起こるものである。
3:重症筋無力症は、神経筋接合部の障害により、筋力低下と易疲労性を生ずる自己免疫疾患であり、若年女子に多い。眼瞼下垂、複視、嚥下困難、構音障害、上肢挙上困難などが起こり、呼吸困難が起こって死亡する。
4:フリードライヒ(Friedreich)失調症は、脊髄一小脳系の変性すなわち脊髄小脳路、脊髄側索路の変性が小児期に起こり、下肢の運動失調と歩行障害、膝蓋・アキレス腱反射消失、病的反射陽性、脊椎側轡、足瞥曲などがみられる。