解説:
1:呼吸性不整脈は洞性不整脈の最も多いものである。洞性不整脈とは、迷走神経の刺激の程度が変化するために起こる不整脈であり、呼吸に伴うものが多い。
2:絶対性不整脈は脈拍の規律性がみられず、脈拍の間隔、大きさ、強さがまったく不同なものである。そのほとんどが心房細動による。心房細動は、僧帽弁狭窄症、甲状腺機能亢進症、冠硬化性あるいは高血圧性の心疾患などでみられる。心室の収縮が弱く末梢に伝わらないために脈拍欠損がみられることがある。
3:期外収縮は早期収縮とも呼ばれ、基本調律(通常は洞調律)の心周期よりも早期に生じる収縮であり、興奮波の発生部位によって心房性、房室接合部性、心室性に分けられる。早期の収縮は小さい拍動のために手指に触れないことが多いので、脈拍が欠滞したように感じる(脈拍欠損)。
4:奇脈は安静時の呼吸の吸気時に脈拍が小さくなり、ときに脈拍が触れなくなるものである。吸気時収縮期血圧が10mmHg以上低下する。多くは心膜の癒着による。房室ブロックは心房から心室への興奮伝導が障害されるものであり、脈拍の欠帯、除脈などが起こる。