解説:
妊娠中毒症とは単一疾患ではなく、いくつかの病態が複合した症候群であると考えられている。
妊娠前半期の2:妊娠悪阻(つわりが悪化して栄菱障害や代謝障害を起こしたもの)を前期妊娠中毒症という。
また、妊娠後半期(特に8カ月以降)にみられる1:子澗(妊娠中毒症によって起こる痙攣発作)、3:中毒症性脳出血、4:妊娠浮腫、高血圧、蛋白尿などを後期妊娠中毒症という。
なお、日本産科婦人科学会において、従来「妊娠中毒症」と称した病態は「妊娠高血圧症候群」との名称に改め、「妊娠20週~分娩後12週の間に、高血圧または高血圧と蛋白尿がみられるもので、かつこれらの症状が単なる妊娠の偶発合併症によるものではないもの」と定義している(2005.4日本産科婦人科学会)。