解説:
1:アイヒホッフテスト陽性は、手関節の伸筋支帯第一区画の狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)を示唆する。ドケルバン病は長母指外転筋と短母指伸筋の腱鞘が肥厚し、炎症を起こす。母指を手掌に置いた状態で手関節を尺屈し、疼痛が再現されれば陽性とする。長母指外転筋上の経穴は大腸経の偏歴、肺経の列欠と経渠であるので、選択肢1の組合せは適切である。
その他の選択肢は以下の通り。
- 2:ファレンテストは手根管での正中神経圧迫障害をみるもので、両手関節を完全屈曲位にして症状が悪化すれば陽性である。陽池は手背側であるので該当しない。局所治療で該当するのは大陵である。
- 3:トムゼンテストは上腕骨外側上顆炎を示唆し、握りこぶしにして背屈させ、検者が掌屈側に抵抗を加え、外側上顆部に痛みが生じれば陽性である。小海は、肘頭と内側上顆の間の尺骨神経溝の部位なので該当しない。
- 4:インピンジメントは、肩峰下に多くみられ、国家試験では肩峰下インピンジメントを指すことが大半のようであるが、本来は股関節、足関節、手関節、肘関節、膝関節など各所に発生するものである。大陵は手関節前面中央で、構造物の衝突(インピンジメント)による障害は通常みられない部位となる。
各テストの詳細は以下を参照。
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