解説:
経穴と関連する臨床的意義を問う設問である。
気戸は、前胸部、鎖骨下縁で、正中線の外方4寸にある足陽明胃経の経穴である。
解剖では、広頚筋、大胸筋、鎖骨下筋と関連する。
- 1:モーリーテストは、鎖骨上窩(腕神経叢)を指で圧迫して圧痛および上肢への放散痛の有無をみるもので、胸郭出口症候群のうちの斜角筋症候群のスクリーニングテストであり、関連しない。
- 2:エデンテストは、両側の橈骨動脈の拍動を触知しながら両手を後下方に牽引したときに拍動の減弱および消失があれば、肋鎖間隙での圧迫(肋鎖症候群)を知るテストである。気戸が最も近位にあることから、答えはこれである。
- 3:スパーリングテストは、座位で頭部を側屈してさらに負荷をかけたときに上肢への放散痛があれば、頚椎椎間板ヘルニア(椎間孔レベルでの神経の圧迫)を疑うテストであり、関連しない。
- 4:ヤーガソンテストは、肘関節屈曲位で前腕を術者の抵抗に逆らって回外したときに結節間溝部で疼痛を自覚する場合、上腕二頭筋長頭腱炎を疑うテストであり、関連しない。