解説:
過敏性腸症候群は、腸管の機能異常によって1:腹痛、腹部膨満感、不快感、および2:下痢や3:便秘の便通異常がみられるものである。便秘を主とする不安定型と下痢や軟便を主とする慢性下痢型、および粘液を排出する分泌型がある。不安定型では便秘と下痢とを繰り返す。原因として身体的因子(過労や感冒など)、食事性因子(暴飲暴食、冷たいものや線維性の食物の摂取など)および情緒的因子(ストレスなど)が関与している。4:下血は、糞便とともに血が出るものをいい、大腸の癌、潰瘍などの大腸疾患でみられやすく十二指腸潰瘍でもみられることがあるが、過敏性大腸炎ではみられない。