解説:
1:錐体路障害は上位運動ニューロンである皮質脊髄路の障害であり、筋萎縮を伴わない痙性麻痺を呈し、深部反射亢進、腹壁反射消失がみられる。また、バビンスキー反射等の病的反射が出現する。
2:錐体外路障害は、パーキンソン病、舞踏病、ウィルソン病、アテトーゼなどの大脳基底核や中脳黒質などの変性をきたす疾患で起こる。錐体外路系は運動の調節に関与しているので、障害によって不随意運動が起こる。
3:下位運動ニューロン障害は、脊髄前角運動神経核から前根、脊髄末梢神経に至る部位での障害であり、反射路が障害されるため深部反射が低下し、筋萎縮がみられる。
4:神経筋接合部障害は重症筋無力症でみられ、運動の繰り返しにより麻痺が増悪し、休息すれば改善がみられる。神経筋接合部障害では深部腱反射が亢進することはない。